BOOK

ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる。

(『徒然草』)

たった一冊の文庫本が、その人の人生を決めてしまうということは、しばしばあることではないか。一巻の書が生涯にわたってその人を支え、慰めてくれることも、けっして少なくない。この意味で、本はすべて運命の書なのだ。

(森本哲郎『読書の旅』、講談社、1977、p. 20。)

もしかしたら最初はうんざりしながら開いたのかもしれないが、厚紙やただの紙の扉が、そのかげにかくしていた驚異の世界と無尽蔵の宝とを垣間見させる。これまでは本能しか働いていなかったところで、意識と反省と想像力が目をさますのはまさにその日である。とはいえ子供にとって、知的堅信礼ともいうべきものがとりおこなわれたその日の痕跡をとどめるものはなにもない。両親はなにも知らないだろうし、子供自身、その日の日付などたちまち忘れてしまうにちがいない。

(ヴァレリー・ラルボー(岩崎力訳)『罰せられざる悪徳・読書』、みすず書房、1998、p. 12.)

引用画像URLGigazine/活字離れに終止符を打つ、楽しく本を読むための7つの方法

(http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080520_7ways_to_improve_reading_ability/) 2010/06/05取得。                         2011/01/24 播磨沙予子

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